クロミッドは、排卵誘発剤のひとつです。有効成分である「クロミフェンクエン酸塩」がホルモンの分泌に作用し、卵巣を刺激することで、排卵が促されます。
クロミッドに関して
クロミッドを服用すると、クロミフェンクエン酸塩がエストロゲンより先にエストロゲン受容体と結合するため、脳は「エストロゲンが足りない」と錯覚します。
そして足りないエストロゲンを補おうと、脳の視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌されます。このホルモンには、FSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)の放出を促す働きがあります。FSHとLHが卵巣を刺激し、排卵が誘発されるます。
クロミッドは、一般的に生理開始3~5日目から服用を始めます。1日1錠から始め、5日間継続して飲み、効果がみられなければ2錠に増量します。
1周目の生理周期で効果がみられない場合は服用を継続しますが、3周目の服用でもまったく排卵が起こらない場合は、次の治療に進むことが多いようです。
生理周期が正常で規則的な人の場合、排卵はクロミッドを内服しても特に早まることはなく、生理開始から14日目前後になります。
排卵が起こったかどうかは、基礎体温や超音波検査などでチェックします。
ルボックスの小児への処方
ルボックスは日本において小児の強迫性障害に対して使用可能な初めてのSSRIとなります。
小児への投与:・強迫性障害
通常、8歳以上の小児には、フルボキサミンマレイン酸塩として、1日1回25mgの就寝前経口投与から開始する。その後1週間以上の間隔をあけて1日50mgを1日2回朝及び就寝前に経口投与する。年齢・症状に応じて1日150mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として25mgずつ行うこと。
添付文書上では上記の記載があり、現在も小児の強迫性障害に対して適応があるのはルボックスのみとなります。
強迫性障害とは強迫症状と呼ばれる症状(手を繰り返し洗う、鍵を閉めなかったなどと心配し頻繁に確認する等)に特徴付けられる精神疾患です。
テルネリンやロゼレム等、併用禁忌薬も多いので注意が必要です。
緑内障治療薬(PG関連薬)比較
1.レスキュラ(イソプロピルウノプロストン)
PG関連薬として一番最初に開発されました。PG関連薬としては作用はマイルドですが、虹彩色素沈着を含め副作用は軽度です。点眼回数が1日2回必要となります。
遮光・室温保管です。
2.キサラタン(ラタノプロスト)
合剤も多く、国内で一番使用されている緑内障治療薬だと思います。点眼回数は1日1回、充血や霧視等の副作用が出ることがあるため夜に使用することが多いです。まつ毛が太くなる、虹彩色素沈着等の副作用防止のため溢れた分はふき取る、使用後30分くらいに洗顔、あるいは入浴して洗い流すことが望ましいです。
遮光・冷所保管(開封後は室温)、GE医薬品は室温保管のものも多いです。
3.トラバタンズ(トラボプロスト)
キサラタンと同じプロスト系のPG関連薬です。保管は1~25℃となり、冷所保管でなくても大丈夫です(夏場注意)。合剤であるデュオトラバは室温保管となります。
防腐剤である塩化ベンザルコニウムを含まないので角膜障害が少ないとされています。
4.タプロス(タフルプロスト)
国内で開発されたプロスト系のPG関連薬です。室温保管ですが、1日1回タイプのタプロスミニは冷所保管となり塩化ベンザルコニウムが含まれていません。
エイベリス点眼と併用禁忌となっています。
他のPG関連薬と少し作用機序が異なり、ルミガン自身がプロスタマイド受容体に作用し効果を発揮します。キサラタン等と比較し効果は同程度かやや優れています。
室温保管です。
6.エイベリス(オミデネバグイソプロピル)
他のPG関連薬がぶどう膜胸膜流出経路(主経路)に作用するのに対して、エイベリスは繊維柱帯流出経路(副経路)からも房水の流出を促進します。
虹彩色素沈着など美容上問題となる副作用は少ない反面、結膜充血、黄斑浮腫などの副作用に注意が必要です。
遮光、冷所保管となります。